二月
2005年2月25日（金）
今日から、日記を書こうと思う。
2005年2月26日（土）
「あなたとのこと、考えたいの」。一年前の今日、忘れもしない2004年2月26日木曜日、僕は、当時付き合っていた彼女から、突然の別れを切り出された。「あなたとのこと、考えたいの」。言葉の上では俺の方を向いているが、実際、彼女の心の中、既に僕の居場所はなかった。優しい君のことだ、泣き虫の僕を気遣ってくれたんだろう。ああ、昨日のことのように思い出される。あれから一年、僕はまだ、君の事を忘れられずにいます。
2005年02月27日（日）
僕と彼女は、元々、同じ職場だった。小さな会社だった。三流大学出身。想像以上の就職難。その中で、やっと決まった小さな会社だった。仕事はきつかった。給料は割に合わないと思った。泊り込みなんて当たり前だった。きつかった。きつかった。でも、君がいたから頑張れた。僕はいつの日からか、君に会うことを一番の楽しみにして、会社に通うようになった。どんなに大変で涙が出そうなことも、どんなに苦しくてへこたれそうなときも、君の笑顔に助けられた。そうだ、僕は、恋に落ちていた。そして、磁石が引き付け合うように、眠るときにまぶたがキスをするように、当たり前のように。僕らが恋人同士になるまで、そう時間が掛からなかった。全てはうまくいっていた、はずなのに、僕らは別れた。神様を初めて恨んだ。
2005年02月28日（月）
今朝、届いたメールを、もう一度、開く。
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件名：久しぶり
本文：もしも、あなたが、まだ、わたしのことを愛してくれているのなら、3月1日、二人が出会ったあの場所で再開しましょう。
恵美より
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運命だと思った。待ちわびていたその瞬間が足音を立てながら近付いてくる。足音に合わせて今にも張り裂けそうな心臓を両手で抑え、自分を落ち着かせる。一度は消えかけた光が少しずつ大きくなって未来が眩しく感じた。運命だ、これは。僕ら、まだ、やっていけるんだ。恵美、愛してるよ。
2005年02月29日（火）
今朝、届いたメールをもう一度、開く。
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件名：さようなら
本文：さようなら…。
恵美より
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思考が停止した。
2005年03月02日（水）
…あ。
