はじめての電車
ボクは怒ってる。
パパもママもわからずやだ。
ボクだってひとりで何でも出来るんだ。
なのにわかってくれない。
だからボクは決めた。
ボクが独りで何でも出来ることをしょうめいするんだ。
電車に乗っておじいちゃんちまでひとりで行く。
知らないおじさんの後ろについて改札を抜ける。
乗る電車はわかってる。
ウチは目白だからおじいちゃんちまで駅は5つ。
パパやママはびっくりするだろうな。
おじいちゃんもおばあちゃんも。
ワクワクしながら電車に揺られた。
気がつくと寝ちゃってた。
ホームを見ると「たばた」の文字。
慌てて閉まりかけたドアをすり抜けた。
へへへ、ここまで来ちゃったもんね。
おじいちゃんちは駅前だから勝ったも同然。
あれ?
おじいちゃんちがなくなってる!
ボクは駅名を見にホームに戻った。
「たばた」じゃなくて「たばこ」だった。