豊田先生

『俺さ、実は豊田先生のこと好きなんだ。』



中学2年、俺らはいつものバカなコトをしていた。

昼休み、一緒にトイレに行った友達が言ってきた。



正直困った。



彼は俺だけに、俺だけに相談してくれたのに、

アホな俺は友達に言いふらした。

どうしていいか、わからなかった。



言ったところで、何にも起きることはなく豊田先生は転勤した。

そして、俺に相談してくれた彼も学年が上がる時、転校した。



1年後、俺達は中学校を卒業した



卒業式、豊田先生は来てくれた。

しかし、その人は「豊田先生」ではなく「加藤先生」になっていた。

結婚したのだ。



卒業式が終わり、先生を好きだったアイツと会う機会があった。



変わってない風貌、いつもの口癖、しゃくれたアゴ

懐かしいなぁ。全然変わってないじゃないか。

彼は喋りにくそうなアゴで言った



「実はさ、俺どこに転校したと思う?」

「東京のさ、日野市ってとこなんだけど、豊田駅ってのが近くてさ。」

「笑っちゃうよな、好きな人の名前が駅名なんて。」



「でも、今はもう彼女もできて幸せなんだ。」







豊田先生は結婚して幸せに生活している。

友達も、友達で幸せな道を歩んでいる。



俺も大好きだった先生の名前の駅に行こうかな。

桃色のせーしゅん / ゆうま