拝啓 ハイベイビー

お元気ですか 私は相変わらずです。
平日昼間の中央線は人も疎らで
あなたと一緒に電車に乗った日々を思い出します。

まだ都会の人込みに慣れていない私が
一番最初に気に入った街までもうすぐです。


吉祥寺で降りようと言い出したのは私だけれど、
街を案内するのはいつもあなたでしたね。

待ち合わせはいつも中央線の車内で
乗る場所を間違えて駅でやっと落ち合うこともたくさんあった。



裏道にある小さなカフェ
公園の池のほとり
小さな雑貨屋さん
美味しいケーキ屋さん
面白い本屋さん
誰も知らないような公園
名物のメンチカツも二人で半分ずつ食べて



いつも同じものを見て、聴いて、感じてきたつもりだったけれど。
ねぇ、あなたは何を見て、聴いて、感じていたんですか?


あなたの左手の感覚、まだ右手に残ってるのに。



拝啓 ハイベイビー

お元気ですか?

私は相変わらずあなたを忘れられずにいます。

sora