高円寺

高円寺のホームからは蛍光ネオンのパチ屋が見える。
駅を下れば老若男女有象無象カラスと疲れ果てたバンドマン。

バンドマンはバス来る寸前のロータリーで唄を謡い
老若男女は話を続ける。
「わたしたちそろそろいかなきゃね」
「そーですかぁ? おばあさん」

杖を付いた老人は南口を下ってく。
ゆっくりとゆっくりとコツコツコツコツ下ってく。
ところがここは誰でも生ける道ではなぁい。

「ここをくだればいついつまでもヤツらの苦しさ、負うですぅう」

老人そこに、はたりと倒れ、くどくどと泣き伏した。
これが、わたしが、昔残した、妄執だったのかもしれない、と。
彼は唄う。
彼は唄う。
心の生命の最後の悲鳴。

それがどした?それがどした?俺の心を祝ってくれと。

彼が言うのさ彼が言うのさ。
今心のうち吐き出したい。
俺も言うのさ俺も言うのさ。
すでに言えない想いがある。

ヤマシナ