―悪い人達―

仕事が終わり午後8時、馴染みのお好み焼き屋へ入る

俺の同級生のTが経営している店

俺達は小学校からの付き合いでかれこれ20年近くになる


「昨日の新聞読んだ?」

Tに言われて俺はどんな内容なのか聞き返した

「雑誌立ち読み注意されて、人刺して殺したんだってよ。まじおっかねぇ!」

俺はへぇ~と言いながらビールを飲む


普通だった。最近のガキどもが誰かをナイフで刺し殺すという事件は俺の中で普通だった。

それは、・・・おかしい事なのか?

俺もTも昔から悪い事はしてきたが、人を刺した事なんて無い。

とういか、人を刺す。という感覚、そういう気分になった事が無い

「俺等さー悪い、悪いなんて言われてたけど、全然今と比べたらかわいいもんやな」

Tがそういう事を言ったので俺は反論した

「俺等は馬鹿だっただけだ、今のガキどもは悪い人間になってる。元々俺達は悪い人間じゃない。だから比べるな」

そうかーと言ってTもビールを飲んだ

俺達はそれからお互いに今の日本でも犯罪や少年犯罪を話した。



アメリカなんて最悪に悪い国やけど、力があるから悪じゃないんだよな。

いや、アメリカよりも日本の方がタチが悪いぜ。

自由だ自由だって今のガキどもなんか自分が自分の力で自由になってると思ってるしよ。

あいつら、アナタ方は自由ですよ!っていう名前の檻に入って何していいかわかんねぇーんだよ。きっと



自由って何だ

不自由って何だ

悪ってそもそも何だよ

正義ってどこにあんだ

俺達は誰を目標にすればいいんだ

世の中悪い奴がだいたい成功してるし

真面目な、いい子ちゃんはだいたい損するしよ

悪い人達になって楽したいぜ!




先日。俺に子供が生まれた

その子に会うまで俺はもしかしたら全てに絶望してどうでもよくなってたかも知れない

かわいい女の子で

俺は世の中の動きがどうとか、アメリカだとか、イラクだとか、政治家だとかどうでもよくなった

少年犯罪は嫌だけど

この子に会えた事が全てだ

これが答えだ



俺には守るべき物が出来たから、悪い人達になんてなれない。


ピースマークを送るぜ

この素晴らしい世界に

俺の旅 / S